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結局アルフレッドを無視した
一晩中泣いていた為目が腫れてしまったし頭が痛かったから学校を休むことにする
一人暮らしにしては広過ぎる部屋の中でぽつんといるとやはり寂しい
することもなくただベッドの上でゴロゴロしていた
気がつけばうとうとしていてお昼になろうとしている
眠気に身を委ねよう
そう思い目を閉じると一気に夢の中へ落ちていった
「アーサー君、ちょっと」
「…?はい」
学校で一番怖いと噂の先生に呼び出された
いつも彼は(自分でいうのもなんだが)俺には甘かった
そんな彼が物凄い剣幕で俺を生徒指導室へ呼び出すなんてあり得ない
周りもざわめき何をしたのかと顔を見合わせる
「失礼します」
戸を開けると数人の先生がいた
これはかなりヤバいぞ、と本能が告げた
「座りなさい」
言われた通りソファーに座ると先生達が一斉に俺を見た
見たというより睨んだ
「アーサー君、君は確か生徒会長を努めていたね」
「…はい」
「成績優秀スポーツ万能、それでいて素行もよし人望も厚い」
ため息をつかれ戸惑いしかない
なんだ、なんの話をしようってんだ
「そんな君がまさか喫煙だなんてねぇ…」
「……え?」
「しかも実はここらの不良のトップなんだって?バカトリオと仲がやたら良いと思ったらそういうことだったのか」
「ちょっと待ってくださ」
「喫煙以外にもいろいろやってるんだろう!白状しなさい!言っておくが君のやっていることは全て分かっているよ!」
唾を飛ばして叫ぶ先生を唖然と見るしかなかった
なぜばれた
知ってるのは悪友3人とアルフレッドのみ
ア ル フ レ ッ ド
アルフレッドだ
アイツならばらすだろう
散々体を好きにしてパシリにした挙げ句…!
「残念ながら大学側から君の合格は取り消しになったと言われたよ!君は我が高校の恥だよ全く」
完全に見下した顔だった
他の先生達も俺を冷めた目で見つめている
怖い
俺は走り出した
後ろで叫び声を聞きながらひたすら走った
すると目の前にアルフレッドが立っている
「やぁ、アーサー!」
にこやかな笑顔が腹立たしい
「なんで昨日無視したの?約束破って…先生にうっかり独り言聞かれちゃったじゃないか…君が影でいろいろしてるって…」
「アルフ、レッド」
「でももう良いやどうせ君なんかいらないし
じゃあね」
アルフレッドが踵を返す
背中を見つめながら崩れ落ちると追い掛けてきた先生に両腕を掴まれた
「ああああああああああああああああああああっ!」
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