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学校に来るのが怖かったが何もなかった
しょせん悪夢は悪夢なのだろう
先生に不良だとばれてもいないしアルフレッドはいない(アイツは今頃一年の教室だからな)
変わったのは俺とギルベルトの関係だ
今までみたいな関係に戻れるとは思っていないしすぐいつも通りになんかなれる訳がない
気まずかった
だがギルベルトは必死にいつも通りを装うし俺もそれに合わせる
フランシスは何か言いたげだったけど気付かないふりをしてくれるしアントーニョは鈍感過ぎて気付かない
「昨日学校休んだけど…体調大丈夫?」
フランシスが気を遣って話しかけてきた
俺はそれに曖昧に笑い頷くとギルベルトをチラリと見た
目が合いあわてて逸らすのを見ながら俺は携帯を開く
昨日もアルフレッドからかなり着信があったが全て無視した
ばらすなら勝手にしてくれ、と思い始めていた
ダメなら就職しよう
「そういや昨日な、一年がここに来たで
なんか頬っぺた腫らしよってなぁ…絶対女に振られた後やって」
アントーニョの何気ない呟きにそっちを振り向くと変わらない笑みが返ってきた
トマトをかじりながら話を続ける(ちょっと待て)
「ソイツ…なんかアーサーおらへんの?って
おったら屋上来い言うたってって言われてん」
聞くや否や俺は走り出していた
なんとなく屋上へ足が向かう
3人の声を振り切って走っている時SHRが始まるチャイムが鳴ったが無視した
「…アントーニョって時々鋭いよねぇ」
「へぇ、そうなん?」
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