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雨の中の優しいキスは、俺にとって怖く、そして受け入れ難いものだった
俺はゲイじゃない
アルフレッドがゲイだろうと関係ないだろう
なのに拒めない
いつしか俺が変わってしまうのではないか、またアルフレッドも変わってしまうのではないか
変化が恐ろしい
人間関係の変化が
アルフレッドの恋情はきっとなにかの間違いなんだ
俺のことなんか好きになるわけがない
かといってギルベルトはどうなる
俺は一昨日ギルベルトを振っていて今とてつもなく気まずい
でも俺達は必死に関係修復に努めている
…結局何が正しいのか俺にはよくわからないのだ
どしゃ降りの中熱いキスを交わされ自分が女になってしまったかのような錯覚に襲われる
「…ねぇ、アーサー…このまましてもいい?」
熱を帯びた目が妖しく光り俺に欲情していることを告げた
俺はもちろん男同士は始めてで(やり方くらいは知ってるけど)、でも絶対俺が下でそれは受け入れ難い真実(アルフレッドが下なんて想像出来ないししたくもない)
ダメだ、流されたら
「やだ…」
必死に出した声はかすれていた
でも体は正直でさっきのキスとアルフレッドの視線で熱く変化していた
雨の中なのに、冷たいのに熱い体をお互い持て余している
「ここじゃ、やだ…生徒会室で…」
あぁ、俺達は馬鹿だ
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