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1週間くらい前からパタッとアルフレッドから連絡が途絶えた
いつもなら4時間目の最中に昼休み生徒会室でね、とメールが来るのだが…
少し戸惑いながらもアルフレッドが自分をやっと諦めたのだと安心した
…はずなのになぜか胸がモヤモヤする
「アーサー?」
「…あ?」
声の方向へ顔を向けるとフランシスが怪訝な顔をしていた
どうやらずっと呼び掛けていたようだ
「販売機行くって話してたんだけど…行く?」
「あぁ…行くよギルベルトの奢りで」
「俺様かよ!」
すかさずツッコミを入れたギルベルト
会話くらいは普通にできる程度には戻ってきた関係を嬉しく思いながら笑った
結局ギルベルトは奢ってくれるらしい
アントーニョがトマトジュースと騒ぎ、それをフランシスが笑う
アルフレッドが現れる前までは日常だった光景
「お兄さんカフェオレ」
「俺様はビー…ファンタ!」
「トマトジュースしか有り得へん!けどファンタ!」
「じゃあミルクティーで」
ガコンと小気味よい音が響き缶が出てくる
それを取り出し歩きながら飲んでいるといきなりギルベルトが「あっ」と声をだしUターンする
次にフランシスが「やっぱりコンビニ行かない?」と言い出した
アントーニョは大賛成のようで嬉しそうだったが何かが不自然だった
どうしても気になり俺の背中を押す二人を押し退け振り返った先にいたのは
「…嘘だ」
黒髪で小柄な男子生徒と仲が良さそうに歩いていたのはアルフレッドだった
ただ仲が良さそうなら問題なかった
…まるで恋人同士のような雰囲気の二人をアーサーは呆然と見ている
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