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販売機でミルクティーを買い缶の蓋を開けた
安っぽい味だが缶ジュースにしては大分マシだと思っている
フランシス達がファンタを回し飲みしようとしていたので一番最初に飲んでやろうと振り返った
アルフレッドが綺麗な顔の東洋人らしき男子生徒と手を繋いで笑っている
恋人のように甘くピンクなオーラの二人が俺を見た
近寄ってくる二人が俺の前で止まり気持ち悪いくらいの笑顔で怖い
「あぁ、アーサー
紹介するよ!俺の新しい恋人さ!俺さ、ゲイって自覚したから男の恋人作ったんだ」
「はじめまして」
にこりと笑う彼は黒曜石のような美しさで神秘的な雰囲気の子だった
「だからね、君もういらないよ」
視界がぐるぐる回る
また拒絶された
好きなだけ酷く扱われた後のこの仕打ち
怖いんだ、嫌なんだ
…嫌?
アルフレッドに恋人がいるのが嫌ブフッ
いきなり腹部に衝撃を感じバッと目を見開くとトマトがあった
………?
トマト
上半身を起こすとギルベルトが腹辺りにダイブしていてさっきの衝撃の原因だと理解する
横を見ればフランシスとアントーニョが口元を押さえニヤニヤしていて彼らが原因だと主張していた
「…ぅおおおおおおっ」
状況を理解したギルベルトがガバッと起き上がりあわてて退く
ついに二人が笑い出してギルベルトが顔を真っ赤にしおろおろとアーサーを見た
「!?」
完全にマジギレだった
人が寝てる時にこいつらは…!
指の骨をボキボキ鳴らす俺を見て悲鳴が上がる
ここアパート?知ーらね
「ぎゃああああっ」
フランシスの悲鳴が夜に響きギルベルトは大屋さんと弟に怒られた
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