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あれ以来アルフレッドを見ていない
きっとあの子てうまくやっているんだろう、と考えながらも胸がチクチクと針が刺されたみたいで痛い
でもこの痛みはきっと騙されたことが原因だからそのうち治るさ
もう悪い夢だって見ていない
あの時ギルベルトがダイブして来なかったらまだ夢の続きがあったかもしれないが見たくは無かった
でも悩む俺を時間はどんどん置いていく
気付けば卒業式まであと3日にまで迫っていた
「体育館マジさみぃ」
ギルベルトがそう言って後ろから抱き付いてくる
密着した背中から温もりが伝わり頬を緩めると前からアントーニョまで来た
「やっぱ皆で集まれば暖かいわぁ…」
「俺が一番暖かいけどな」
クスクス笑うとフランシスが拗ねたようで泣き真似を始めた
「皆酷いっお兄さんだけのけ者?」
「だってフランシスやし…」
「お前どさくさに紛れてケツ触るし…」
「髭だし…」
更に密着するとフランシスが俺達3人を包み込むように抱き締める
高校三年生にもなって俺達はなんて馬鹿なことをしているのだろう(しかももう卒業だ)
でもこうやって馬鹿やるのもあと3日しかない
しみじみと感じながらストーブに群がり談笑する
そこで聞き覚えのある笑い声が聞こえたけど一切振り向こうとは思わなかった
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