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開いた扉から見えた顔はよーく知っている奴でしかも数分前まで一緒にいた野郎だった
ばっと離れた俺と気付いて邪魔をされて少し不満そうなアルフレッドの視線の先にいたのはギルベルト
「アーサー…お前男とき、キスし…」
疑うというより確信に満ちた顔で問いかけるギルベルトを一瞥して呆然とする俺をアルフレッドが引き寄せた
「なんか文句でもあるのかい?付き合ってる恋人とキスしちゃいけないの?ね、ハニー」
ハ ニ ー ?
誰が 誰と 恋人 だこの野郎…っ!
そう反論しようとしたらじゃあなんて説明するんだって話である
めちゃくちゃ
それこそスコーンの袋ひきちぎりそうなくらい悔しいが俺は(引きつっているであろう)満面の笑みを精一杯浮かべ頷く
「そうなんだよ!な、ダー…リン…ははは…ははっ」
見開いていた目を更に大きい開いてギルベルトは口をパクパクと動かした
何か言いたいらしいが言葉が出て来なく指だけが力なく俺達を指す
俺はふと見えたアルフレッドの横顔にとある感情が見え戸惑った
嘘をつくのがうまいのか本当の感情なのかわからない
「アル…」
「俺様だって、俺様だってアーサーが好きなのにっ!」
遮られた言葉が届かず代わりに聞こえた言葉はまた嵐を呼ぶものだった
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