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もし、家が極道やなかったら。
僕は人から愛される事を躊躇わずに
受け止めれたのやろか。
「嵐山の奴等じゃのぅ!!
その面、ちょっと貸してもらおうか!!」
「お前らも懲りねぇ奴等やのぅ。
先週ボコボコにしたったじゃろうて。」
「うっせぇ!!今度はお前らの番じゃ!!」
「バッチ来い!!!!!!!!」
もし、
僕がこの地域の第5勢力とは
無関係ならば、
「大丈夫か?」
「あったりまえやん!!
兄ちゃんこそ大丈夫なんか?」
「あぁ、大丈夫……やで。」
愛する人をこんな傷だらけにしなくて
済んだのだろうか……。
もし、
もし、
もし、
そう考える度に胸の奥が鷲掴みに
されて揺さぶられる。
悪いのは極道を始めた親父でも、
弟でも僕でもない。
すべては腐りきったこの世界のせいだ。
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