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「お待たせしました」
数分後に並んだ料理は食べるのを
躊躇わす程美しく飾られていた。
「本日シェフを勤めましたのは
陣川ミナトにございます。
ご意見ご感想がありましたら、
お気軽にお申し付けください」
朔の隣で微笑み、一礼したミナトは
本日のメニュー表と書かれた紙を2人に
差し出した。
「ごゆっくり御召し上がりください。
失礼いたします」
一礼し、再び給湯室へ去ると、宏幸達は
いただきます。と手を合わせてから食べ
始めた。
ガチャッ
「たっだいま~」
「あっ、お帰りなさい」
「ただいま~お腹空いたっちよ」
「ミナトが朝御飯持ってきているので、
声をかけてください」
「はーい、ミナト!!いつもの紅茶2つ」
背後の戸が開き、直樹達と話している
声で葉瑠達が帰って来たのは、すぐに
分かったのだが、向かい側に座ったのは
何故か、可愛らしく着飾った女の子。
こちらを見てはにっこり笑って、
いいなぁ~っと言っている。
「食べる?」
スコーンに蜂蜜檸檬を乗せ差し出すと、
あーんっと机に身を乗り出しながら
口に入れた。
「俺、林檎がいい」
やっぱりお前らか……。
「2人とも、よく似合ってるな」
蜂蜜林檎をスコーンに乗せ、帝であろう
人物に向かって手を伸ばす。
「好きでやってる訳ではなか」
大きく口を開けてジャムの付いている
所だけを食べ、口先に付いたジャムを
親指で拭う。そんな姿をテーブルに肘を
つき、頬を乗せ、やわらかな微笑みを
葉瑠に向けた悟。
「お待たせしました。どうぞ」
朔とミナトが2人の前に料理を置くと、
食事を続け、一息入れて、宏幸は本題を
切り出した。
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