愛を知るということ

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王妃と呼ばれる桜北学園中等部3年、 生徒会副会長の宇佐見真奈美はこれらの 状況を踏まえある提案をした。それが、 「しかし、黙って見過ごす俺じゃない。 取り合えず正当防衛が成り立つ状況化 のみ、武力で交戦を許可する」 「ちょっと待ってください!! そんな事をすれば一般生徒が この敷地内から出られなくなります!!」 「な~に、この話が片付くまでや。 食料や生活物資は園内を歩けば 何とかなるし、あいつらと違って 学園都市である事をフル活用せな いかんで」 慌てて切り返した高等部3年喧嘩部 副部長戸島宏幸の言葉を待っていました と言わんばかりに、にやけたい気持ちを 抑えて話しているものの、皆には (あぁ……、この人は自分の作戦が 正しいやり方と思ってるんだろう) と手に取るように分かる。 かなり思いきった作戦ではあるが、 長が考えただけに互い顔を見合わせた。 桜北を始め5の学校の扱いは国立学園 都市である。国から学園都市の名を 頂戴する為には、学園は幼等部から 大学院までエスカレートで進学できる 設備を兼ね揃え、専門学科も30以上を 越さなければならない。 その他にも病院、郵便局、銀行、 コンビニ、娯楽施設、寮は当たり前で 生徒の家族や教師の住めるアパートを 建設する事。 つまりは学園内で居ても普通の生活が おくれる寸法だ。 その為敷居は高く、親が余程の金持ちや 権力者か、自分が天才と呼ばれる物を 身に付けているか、会長に推薦状を 貰った人が秩序を守って生活を送る。 「あとは、生徒会や喧嘩部の皆さんに パトロールをしてもらい、絡まれた所を 一網打尽にする。ほらバッチリやん!!!」 智治は親指を立てドヤ顔をしているが、 腑に落ちなかった宏幸は晴れやかな 笑顔を見せ、穏やかに口調で智治を 突き落としにかかる。 「それはつまり、私共に囮になれと 仰っているんですか?」 「えらい人聞き悪いな~、囮やなくて、 どちらかと言うと悪から地域を守る 正義のヒーローです!!!」 「相手、プロなんですよね?」 「そうや」 「司さん負けたんですよね?」 「まぁ……、一応……」
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