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中島は、そっと山田の髪をなでる。
最近、すこしくらい色になった茶色。前までの明るい茶色もよかったけど、この色もいいな。
なんて思う余裕があるのは、きっと、俺はこんなにも彼に思われているんだなって自惚れしてるから。
「やーまちゃん。」
「・・・なに、」
「俺はこんぐらいのちっこーい山ちゃんがいいけどなー。」
「ちょ、ゆーとくん!?失礼だ、」
「だって、キス、しやすいでしょ?」
腕をつかまれ、急に立たされたかと思うと、
ふいに触れたお互いの唇。
山田の表情は、はとが豆鉄砲をくらったというような表情。
ゆっくりと離れる唇。中島は山田を見つめる。
山田の顔はしだいに赤く染まり、耳まで真っ赤になった。
山田は中島をにらみつけると、ギュッと抱きついた。
あぁ、なんてかわいいんだろう、この人は。
中島はそっと微笑んだ。
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