日常13

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一夜明けた翌朝。 事件が発生したんだ。 キャンプ場に、熊が現れたんだよ! 小柄な月の輪熊らしいね。 小柄といったってさぁ、{普通の熊に比べたら}と、いう意味だからね。 人が襲われたら、一溜まりもないよ。 一般の宿泊者が、残飯を放置したんだって。 それにつられて、寄って来ちゃったんだよ。 残飯は、決まった場所へ捨てる決まりだよね! なんでそうしないのっ! だから、今回のようなことが起こるんだよ! 管理事務所で、ここへ来た時に注意されるよね。 それを怠るなんて! 今回は、朝食の仕度をしていた所にサイレンが鳴ったんだ。 そして、熊出現のアナウンスだよ。 優奈が怯えて、僕へ縋り付いたんだ! 優菜を怯えさせるなんてっ! 僕は腹が立ったけど、優菜をささえながら頭を軽くなでながら告げたんだ。 「大丈夫。  ここは、学園管理のキャンプ場なんだ。  だから、魔術師が常駐してるさ。  それに、何かあっても、僕が優奈を守るから」 優奈が、怯えながら頷いている。 大丈夫だからね。 でも… 優奈以外の女の子達は、怯えないのね。 女の子達で、僕と優奈のことを、キャイキャイ話しながら盛り上がってるよ。 ちょっとねぇ… そうそう、熊は魔術師が、素早く対処して追い払ったよ。 残飯を放置した者達は、叱責されて罰金だね。 聞こえた内容だと…30万円だってさ。 大変だねぇ。 まぁ、自業自得さ。 優奈を怯えさせたんだ。 もっと、取ってやれば良いのに。 そんなことを、思ってしまったよ。
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