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「ゆ、雄二君」
優奈が声を掛けてくる。
あっ!
抱き締めたままだったよ。
優奈が真っ赤な顔で困ってるね。
わ、わぁっ!
「ご、ごめん」
そう言ってから、優しく放すよ。
「ううぅん。
守ってくれようとしたんだもん。
優奈。
嬉しい」
可愛く言ってくる。
可愛いぞっ!
僕の顔も真っ赤だよね。
その時、優奈の膝に乗っていた兎が、モゾモゾと動き始めたんだ。
「あらっ。
ごめんなさいね。
みんなの所へ、帰りたいわよね」
優奈は、緩やかに進み始めたトロッコから、兎を放してあげてるよ。
兎は振り向きながら、去ってくね。
兎の先には…
動物達が遠巻きに、僕らを見送ってくれてるんだ。
うわぁ~っ。
僕らは、感動しちゃったよ。
そしてトロッコは、駅へ到着だね。
「本日は、有難う御座いました。
アマゾンクルーズ。
お楽しみ頂けましたでしょうか。
本、アトラクションは、コレにて終了させて頂きます。
またのご搭乗を、お待ちしております」
お決まりの挨拶を聞きながら、外へ出たよ。
色々と凄い、アトラクションだったなぁ。
んっ?
なんだか、藤崎先生の顔が蒼いような…
気のせいかな?
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