日常13

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「ゆ、雄二君」 優奈が声を掛けてくる。 あっ! 抱き締めたままだったよ。 優奈が真っ赤な顔で困ってるね。 わ、わぁっ! 「ご、ごめん」 そう言ってから、優しく放すよ。 「ううぅん。  守ってくれようとしたんだもん。  優奈。  嬉しい」 可愛く言ってくる。 可愛いぞっ! 僕の顔も真っ赤だよね。 その時、優奈の膝に乗っていた兎が、モゾモゾと動き始めたんだ。 「あらっ。  ごめんなさいね。  みんなの所へ、帰りたいわよね」 優奈は、緩やかに進み始めたトロッコから、兎を放してあげてるよ。 兎は振り向きながら、去ってくね。 兎の先には… 動物達が遠巻きに、僕らを見送ってくれてるんだ。 うわぁ~っ。 僕らは、感動しちゃったよ。 そしてトロッコは、駅へ到着だね。 「本日は、有難う御座いました。  アマゾンクルーズ。  お楽しみ頂けましたでしょうか。  本、アトラクションは、コレにて終了させて頂きます。  またのご搭乗を、お待ちしております」 お決まりの挨拶を聞きながら、外へ出たよ。 色々と凄い、アトラクションだったなぁ。 んっ? なんだか、藤崎先生の顔が蒼いような… 気のせいかな?
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