日常13

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「そう、研究よ。  魔導機の影響などを調べてるの。  今までは、想定内のことしか、起こってなかったのよ。  でも、今日は色々起こったのよねぇ」 「へぇっ。  それは、凄いですね」 藤崎先生と安陪先生が、呆れたように溜息を吐くんだ。 「貴方のことよ」 「へっ?」 僕は思わず、自分を指差しちゃったよ。 「魔導幻想機は、人の思念に影響されるの。  特に、魔術師の思念にね。  でも、今まで何人も魔術師が、ここへ来たのだけど…  今日ほどの影響はなかったのよ」 先生によると… まずは、【大航海クルーズ】 本来ならゲストの1人が、クラーケンに持ち上げられるんだって。 それを、みんなで撃退するんだ。 すると、逃げるさいに海賊船が沈没。 それが、正規の話しらしいね。 そして、海賊は改心して、水夫になるんだよ。 次に敵国の商船と戦闘してから、島へと漂着なんだってさ。 けど、クラーケンが優奈を狙ったことに、僕が激怒して撃退!? クラーケンが、脅えて撤退したんだ。 ………? 僕が激怒して、クラーケンを? あれ? えっとぉ。 そのためにバグが起こって、ストーリが省略されたんだってさ。 ……… そんなことに、なってたんだ… 【アマゾンクルーズ】では… 黒豹とトラのサイズが異常だったんだって。 鰐のサイズもね。 あんな巨大鰐、普通、現れないってさ。 さらに優奈の膝にいた兎。 白銀の兎なんて、いないって。 さらに他の動物が逃げるシーン。 あそこで、兎も逃げる筈なんだ。 けど、優奈を安心させるように、残っちゃたりね。 これ、僕が優奈を庇う心が、反映されたらしいよ。 【ウォーターマウンテン】と【スターライトマウンテン】は、何もなかったらしい。 ただ、【ゴールドパニック・マウンテン】で、後から岩が迫って来るシーン。 あれは、普通はないんだって。 僕が後を向いた途端に現れたことから、{僕の心が、幻想機に影響したのではないか}と、思われてるみたい。 そして、【スペース・クルーズ】だね。 あれは本来、自力でワープ機関を修復して戻るんだって。 あんなに、執拗なほど追い掛け回されない。 そして巨大要塞。 あんなのは出て来ないってさ。 最後がグダグダになったのは、魔道AIのプログラムが、間に合わなかったそうだよ。
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