日常14

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そう思ってると、凍夜が訊くんだ。 「先生。  先生は何歳なんや?」 瑠衣先生は、ニッコリ笑って言うよ。 その笑顔…なんだか、恐いんですけど… 凍夜は気付かないね。 鈍感なの? 周りも、気の毒そうに見てる。 「八雲君ですわね。  1つ、良いことを、教えてあげましょう」 「ええことでっか?  なんでっしゃろ?」 嬉しそうに訊いてるな…馬鹿なの? 瑠衣先生は、凍夜に近付いて言うよ。 「女性に、年齢を尋ねるものではありません!」 そう言って、出席簿で凍夜の頭を引っ叩いた。 結構、良い音したなぁ。 自業自得だけどね。 「夫は大人しい人ですけど、私は違います。  ビシバシ、行きますわよ。  次ですが、一般の学校では英語の授業が加わります。  ですが、魔術学園ではありません。  これは、中学になって習う魔法に、関係があります。  デバイスを用いてですが、魔術で意思の疎通や文字の読解が行えます。  その魔術を、習う訳ですね。  なので、言語の齟齬は解決できます。  無駄な時間を省くため、英語の習得はありませんよ。  その分、魔術授業が増えます。  そのつもりでいるように」 ふぅ~ん。 そうなるんだ。「4年からの繰り上がりクラスですから、自己紹介は要らないでしょう。  では、クラス委員を選びますよ。  立候補と推薦で決めましょう」 「先生」 凍夜が手を挙げる。 「何ですか?」 「新しく、2つの委員を作ることを、提案したいんやけど」 ??? 先生だけでなく、クラスメート全員が首を捻る。 「それで、何の委員を設けるつもりなのです?」 凍夜は、ニヤリと笑って言う。 「新聞委員とイベント実行委員やで」 クラス全員が、納得して頷く。 蘭崎さん以外は、だが。 「ちょっと、待って。  なに、その委員は?」 「決まってんやろ。  妙なイベント提案して逃げる、お方専用の委員や。  新聞委員は、桃子やん用やな。  自由にやり過ぎんよう、(委員にした方が良えんちゃうか)と、思うてな」 「ああ、夫から聞いてますわ。  確かに、その意見は良いですね。  では、担任権限として、採用と任命をします。  蘭崎さんには、イベント実行委員、嶋籐さんには、新聞委員を任命します。  良いですね」 蘭崎さんは、不満そうだったね。 けど桃子ちゃんは、「公認じゃ」って、喜んでたよ。 エスカレートしなければ、良いのだけど…
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