日常14

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正月も去年と同じように、みんなと過ごしたんだ。 授業はね、普通の学校と変わんないや。 魔術だけは、別だけどね。 その魔術授業なんだけどさぁ。 これって、魔術じゃなくて、武術だよね。 鍛練として、型を覚えたり、組み手をしたりね。 色んなことを、やらされてるよ。 怪我が絶えないんだ。 だから、真鍋先生が大活躍。 僕も何回か、お世話になってるよ。 そして1月の終わり。 訃報が飛び込んできたんだ! 朝のニュースでも言ってたんだけど… 海外で魔術師支援ボランティアグループが襲われて、死傷者が出たらしいんだよ。 一般人で構成されるボランティアグループなんだ。 けど、高い支援技術を身に付けていて、評価は高い組織らしいよ。 現場は、海外の内戦地帯。 魔術師達は、政府を支援していたんだって。 支援グループは、そのバックアップだね。 そして反政府ゲリラは、後方の支援グループを強襲。 今回の事件になったんだ。 そしてね。 その被害者の中に、桃子ちゃんの両親がいたんだよ。 実は2人。 (桃子ちゃんが魔術師になったら、彼女を支援したい)と、考えてたんだって。 そして、グループに参加したんだよ。 技術を習得しながら、活動してたんだってさ。 {将来、桃子ちゃんを支援する}って、頑張ってたらしいよ。 もちろん、事件のことは、桃子ちゃんにも知らさたよ。 ただね。 事件現場は紛争地域でしょ。 桃子ちゃんが、現地へ行くことは、許されなかったんだ。 泣き叫ぶ桃子ちゃん。 彼女を、どう扱って良いのか… みんな、困っちゃたよ。 単純に慰めて済む話じゃないよね。 だって、僕らは、(桃子ちゃんの親は、勝手なことをしてる)って、思ってたんだもん。 桃子ちゃんも、恨んでたと思うよ。 だけど、実際は… 娘の将来を考え、{娘を支援するため}って、活動してたんだよね。 自分のために頑張っていた両親。 なのに恨んで… 親が苦労していた時に、自分は学生生活を楽しんでた。 その罪悪感が、彼女を襲うんだよ。 そんな、桃子ちゃんを支えたのが、隆だった。 頬を腫らしてしたりしたけど… 隆が部屋に行ってから、少しずつ落ち着いたようなんだ。
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