日常14

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「アナタに、何が分かるって言うのよぉ!」 桃子ちゃんが、硯斗さんに噛み付いたね。 「私の父は、刑事だったわ。  でも私が7歳の時、殉職したの。  確かに、私の母は生きてる。  でも、親が死んだ悲しみは、私も経験してるわ。  辛いのは分かるのよ。  けど、それは、自分で乗り越えなければならないの。  あの時の私には、母しかいなかったわ。  でも、アナタには、色々と支えてくれる人達が、いるじゃない。  頑張ってよ!」 僕らは初めて聞く、硯斗さんの秘密を聞いて、唖然としていた。 「アナタのお父さんは、どうして亡くなったの?」 震える声で聞いてるね。 「父は、殺人犯を追っていたの。  通常なら、逮捕できるところまで、追い詰めていたそうよ。  相手が…  魔術師でなければ…  そう。  父は、魔術犯罪者に殺されたの。  犯人は、1年後に死んだわ。  捕まえに来た魔術師に抵抗して、返り討ちにあったそうよ。  実は私、みんなより年上なの。  父が殉職したショックで、不登校になったの。  それで、1年遅れたのよ」 硯斗さんに、そんな過去があったなんて… 「溜め込むと、碌なことにならないわ。  今日は、発散しなさいな。  ちょうどあそこに、凍夜君もいることだしね。  一杯、ぶつけちゃえ」 凍夜が、焦って言う。 「ちょっ!  なんで、わいなんやぁぁぁぁっ!」
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