日常14

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「そうね。  凍夜へぶつけて発散するわ」 「待て、待て。  ちょっと、待てぇぇっ!」 「問答、無用よ」 そう言って桃子ちゃんは、無数の魔那の玉を出して凍夜へ放つ。 「なんでやねぇぇぇん!」 それを合図に、みんなが魔那を放ち始めた。 凍夜へ。 確かに、魔那の玉は、当ってもさほど痛くないんだよ。 少数なら… 「にぎゃゃぁぁぁっ!  地味に痛いがなぁぁぁ。  やめてぇなぁぁぁっ」 凍夜が、そう言って逃げ回る。 やっぱりアイツは、バカだなぁ。 魔那を吸収すれば良いのに。 拒絶するから、吸収されずにダメージを受けるんだ。 僕にも、魔那の玉を放つ子がいるよ。 けど僕は、それを吸収してから、倍の玉をプレゼントしてあげてる。 その内、僕には撃って来なくなったよ。 そして、彼らはリアクションの大きい凍夜へね。 まぁ、そういう星の元に、生まれたんだろうね。 「理不尽やぁぁぁっ」 豆撒き(魔那撒き?)が済むと、桃子ちゃんは、少し吹っ切れた感じになってたよ。 その代わり凍夜が落ち込んで、隅で体育座りしてる。 手間の掛かるヤツだなぁ。 そう思って、行こうとしたら… 硯斗さんが、凍夜の元へ向かったね。 「シャンとなさい!  なに、落ち込んでるのよ。  アナタが考えた通り、嶋籐さんは元気になったじゃない。  誇りに思いなさいよ」 そう言って、凍夜の背を叩くんだ。 「うぐぇ!  痛いやんか。  硯斗やん。  勘弁してぇな」 「男が細かいことで、ウジウジ言わないの」 うん。 硯斗さんに任せれば良いかな。 僕は、みんなと一緒に移動したよ。 稽古着から私服に着替えるのさ。 更衣室で着替えたから教室に戻る。 荷物があるからね。 帰り仕度が済むと、すぐに帰ったんだ。 優奈が待ってるもん。
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