日常14

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2/14 バレンタインデー。 去年の妙なイベントは、なくなったね。 僕としては、良かったよ。 大量の義理チョコは要らないからね。 ただねぇ。 一部の男の子がショゲてたね。 特に、凍夜とか、凍夜とか、凍夜がね。 他にもいるけど… 目立つんだよ、アイツ。 イベントは、なかったんだけどね… クラス女の子に、6年や4年の女の子。 中高のお姉さま。 挙げ句に、女の先生達… みんなから、チョコ作成指導を頼まれたんだよねぇ。 僕、小学生だよ。 おかしくない? まぁ、教えたけどさぁ。 去年は来なかった硯斗さんが来てる。 誰にあげるんだろ? 彼女、お父さん、いないからなぁ。 好きな子でも、できたのかな。 当日。 困ったことが、起こったんだ。 4年生の委員長だった子。 梢ちゃんだね。 彼女が手作りチョコを、渡しに来ちゃったんだよ。 え~っと…何故? 「あのね。  梢ちゃん。  これ、義理チョコだよね?  僕には、彼女がいるんだけどね」 梢ちゃんは、ビックリした顔で僕を見る。 「えっ!  だって、先輩。  学校で、彼女さんと一緒にいるの、見たことないですよ」 えっと… と言うことは、本命チョコなの? 「ごめん。 それは、受け取れないよ。  僕の彼女は、横浜にいるんだ」 「遠距離恋愛なんですか?」 「ん~っ。  そうじゃないんだ。  僕の部屋には、転移装置があるんだよ。  横浜の家と、繋がってるんだ。  だから、毎日会ってるよ。  今日も帰ってから、会う約束してるしね」 「そう、なんですか…」 ガッカリして、行っちゃたね。 生まれて初めて、女の子を振っちゃったよ。 ちょっと、罪悪感。 でも… 僕には優奈がいるからね。 無理だからね。 後ろで凍夜が… 「雄二ばっかり、不公平やぁぁぁぁっ!」 なんて騒いでるけど… まぁ、放置だね。 それより、授業もすんだから帰るよ。 優奈が、待ってるモンね。
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