日常14

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美鈴ちゃんと凍夜が付き合い始めたのは、良かったんだけど… 「隊長ぅ!  裏切りだぞぉぉぉっ!」 「そうだ!  そうだっ!」 「裏切り者は、粛清だっ!」 朝から教室が騒がしい。 どうやら凍夜は、何かの隊長をしていたようだね。 「なぁ、凍夜は、何の隊長をしてたの?」 尋ねると、騒いでいた男の子達が固まる。 近くにいた子が、教えてくれたよ。 「ああ。  リア充雄二達撲滅委員会だったかな」 なにそれ。 恐いなぁ。 僕って何かした? すると… 「なぁ~んねぇ。  もてんヤローのヒガミね」 桃子ちゃん… 辛辣です。 「くっそ~  おまえらなんかに…」 「アンタらねぇ。  そんな考えしてるからでしょ」 「うるさい。  ただでさえ、女子が少ないのに、外に男つくりやがって!」 あっ! 桃子ちゃんの目の色が変わった。 あれは、相当、怒ってるね。 「アンタ。  魔那付与なしで、うちの全力の拳を受ける勇気あるんね」 静かに告げる、桃子ちゃん。 かえって、怖いんですけど… 「な、なんの関係があるんだよぉ…」 オズオズと言うね。 「隆は、うちを落ち着かすために、何発も受けたけぇね。  雄二君が気付いて、真島先生を呼んじょらんかったら、死んじょったんよ。  うち、錯乱しちょったけぇね。  いっさい、加減なしじゃったけぇ。  けど、アイツ。  {桃子が心に受けた傷を思ったら、屁みたいなもんだ。  俺は、おまえの彼氏なんだからな。  どうってことないさ}って…  アンタに、真似できるんね。  隆をバカにしたら、タダじゃおかんけぇね」 桃子ちゃんは、魔術授業の組み手で、男子連中を薙ぎ倒してる猛者なんだ。 その全力の拳だからねぇ。 あの時は、慌てたよ。 「あのさぁ、君達ねぇ。  神田川君とか賀田君は横浜に彼女がいるよ。  優奈達の友達だけどね。  小嶋君、狭山君、藤堂君は、この街の小学校に彼女がいるしさ。  自分達が行動してないのが、いけないんじゃないの?」 つい、言っちゃたよ。
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