日常15

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昔、お父さんから聞いたんだけどね。 お爺ちゃんて、自然が好きなんだってさ。 だから、ここへ引っ越したんだよ。 お父さんは仕事があるから、横浜に残ったけどね。 家へ着くと、お爺ちゃんは庭へ、無造作に車を停めるんだ。 本当に、適当だよね。 「さて、着いたぞぃ。  婆さんが待っとるでのぅ」 そう言って車から降りると、家の方へ行っちゃったよ。 僕は、みんなの荷物を車から降ろしてる。 それから優奈達と一緒に、家へ向かったよ。 もうちょっと近くへ、停めてよね。 玄関の近くまで移動すると、玄関が開いたんだ。 婆ちゃんが出て来たよ。 「よう、おんでなしたのぅ。  ご馳走をば、たぁぁんと用意しとるでな。  はよ、上がりない」 そう言って、手招きしてる。 「おばあちゃん。  お久しぶり。  元気そうだね。  あっ。  これ、お土産ね」 僕はそう言って、お父さんから預かったお土産を渡したよ。 「おう、おう。  こりゃ、また、何じゃろうなぁ。  しかし、雄二や。  大きゅうなったのぅ。  しかも、こんなに、かわゆい子を連れて来てからに」 そう言って、ニコニコ笑っているね。 そんな話しをしていると、お爺ちゃんが出て来て言うよ。 「ほれ、ほれ。  話しは、中ですればよかろうて。  折角の飯が、冷めてしまうわい」 お爺ちゃん促されて、僕らは家に入ったんだ。
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