日常15

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「このグラスなんだけどね。  なんだか、凄く惹かれるんだ。  色が深いというか…  何だろう?」 「うわぁ~  本当に凄いねぇ」 優奈が、感動して言うよ。 {どれどれ}って言いながら、お爺ちゃんが説明書きを読んでるんだ。 すると… 「ほほほほほっ。  そのグラスに惹かれるとは、なかなか渋いのぅ。  それは、今は製造されておらぬ器なのじゃよ。  なんせ、アイソトープ。  つまり放射能物質を使用して、作成されておる器なのじゃ」 そんなことを、言い始めちゃったよ。 げっ! そんなの使ったら、被爆するじゃん。 「昔の知識がない時代に、作られた器じゃ。  作り手が、早死にする作品じゃったそうだて。  まぁ、当たり前だのぅ。  長崎のホームテンボスにも、同じ種類の器が展示されておるらしいぞぃ」 それで、この深い薄く緑掛かった黄色の器なんだ。 価値的にも凄いんだろうね。 僕達は午前中に博物館を見て廻ったよ。 見学し終わったら、1時半近くになっていたけどね。 お昼は、隣接するレストランで食べたよ。 その後で、また、博物館さ。 博物館は、展示品の見学だけじゃないんだ。 オルゴールとガラス製品は、購入できるんだよ。 まぁ、ミニュチュアの模造品だけどね。
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