日常15

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資料館を出た僕らは、レストランでお昼ご飯さ。 まぁ、まぁ、かな。 観光地だからねぇ。 ご飯を食べたから、次へ行くよ。 次は、硫黄山さ。 硫黄山は別名、アトサヌプリ(裸山)って言うんだよ。 本当に、木が生えてないねぇ。 裸の山だよ。 近くへ行くと、硫黄の臭いがスゴいんだ。 噴煙も、あちこちから出てるよ。 大丈夫なの、ここ? 「なんだか、クチャイね」って、優奈。 密かに萌えたのは、内緒だよ。 由美子姉… 「隠してるみたいだけど…  バレバレなのにねぇ」って、溜め息吐かないでよね。 硫黄山へ着くと、山の中腹まで登ったよ。 「熊落とし」と呼ばれてる、深さ約50m位の火口跡へもさ。 昔、アイヌの人達が、この崖へ熊を追い落としたんだってさ。 それで付いたのが、この名前なんだって。 崖崩れしないように、整備されてるね。 だから、登れるんだ。 前って、落石の危険があったそうだよ。 だから、来れなかったんだってさ。 しかし… 深い崖だねぇ。 「こ、怖いねぇ。  吸い込まれそうよぉ」 足が震えてるね。 僕は、そっと優奈を引き寄せて、支えてあげた。 後で由美子姉が、何か言っているけど… まぁ、放っておこう。 次に下山して、硫黄山の麓の『つつじケ原』へ行ったんだ。 高山植物が、びっしりと生えてたよ。 白エゾイソツツジの群生地なんだってさ。 ただねぇ。 エゾイソツツジが咲くのは、6月中旬から下旬迄。 今は8月。 残念だけど、白エゾイソツツジの花は見れなかったんだ。 けどね。 様々な高山植物が生えていて、綺麗だったよ。 散策路を通って、川湯温泉へ抜ける。 お爺ちゃんとお婆ちゃんが、車で先回りしてくれてるよ。 僕らは、お爺ちゃんの運転する車に乗り込んで、温泉さ。 日帰り温泉を楽しんで、夜ご飯だね。 郷土料理が美味しかったよ。 今日も楽しかったなぁ。
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