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次の日。
今日は、滝を見に行くんだ。
早めに起きて、ご飯を食べる。
そのあと、すぐに出掛けたよ。
ただね。
そこへ行くには、森林管理署の許可が要るんだってさ。
お爺ちゃんが昨日の内に、許可を貰ってたんだよ。
尾札部(オサッペ)川の横を走る林道が途切れるまで、車を走らせたんだ。
そして、車から降りるよ。
笹薮や沢、けもの道を、こぎ入りって、道なき道を歩く。
お爺ちゃんが僕らへ、肌が露出しない服を着せた理由が分かったよ。
こんな道を通るからなんだね。
「この道、やぁん」
優奈が、疲れてきてるね。
「優奈」
僕はそう言って、優奈の前でしゃがむ。
「………
え~っと…
雄二君」
恥しそうに、モジモジしてる。
「さぁ」
そう促して、優奈を背負うよ。
鍛えられた僕の力なら、優奈を背負っても楽勝さ。
川のせせらぎだけが、聞こえていたんだけどね。
途中から、水が叩き付けられる音に変わったんだ。
すると、凄い滝が2つ現れたよ。
夕染の滝と釣鐘の滝。
幻の滝だってさ。
滝に着いてから、僕は優奈を降ろす。
「雄二君。
ありがと~」
真っ赤な顔で言うね。
「どう致しまして。
優奈のためなら、楽勝だよ」
その僕らの横で由美子姉が、顔を手で扇いでるね。
暑いのかな?
滝の近くで、(涼しい)と、思うんだけど?
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