日常15

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僕らがいる所から向かって左側、手前にあるのが、「夕染の滝」だってさ。 落差は25mほどかな。 岩肌のコケが美しくて、絹糸を垂らしたような繊細な滝なんだ。 右側の少し奥にあるのが、「釣鐘の滝」らしいよ。 落差は15m程だね。 夕染の滝より、水量が多くて迫力が凄いよ。 絶景に圧倒された僕らは、しばらく惚けたように、滝を見てたんだ。 しばらくして、川に色んな魚が泳いでいるのに気付いよ。 「滝も凄いけど、魚も凄いや。  これだけいたら、簡単に釣れそうだね」 「これ、これ。  ここの魚は、保護されとるのじゃ。  だから、釣りは禁止ぞぃ」 お爺ちゃんに、呆れられちゃったよ。 それから、滝壺の岸辺に裸足で入ったんだ。 冷たくて、気持ち良いね。 「やぁん。  なぁ~にぃ?」 ふふ。 優奈が魚にツツかれて、驚いてるよ。 滝壷で、しばらく涼んだあと、お弁当を食べたよ。 そして、寛いでたんだ。 そうしたらさぁ。 山道の方から、人が現れたんだよ。 何だか、焦ってるようだね。 「おお!  厳爺!  良い所へいたべや。  今、呼びに行くところだったんべや」 「なんじゃ。  そがぁに、慌てよってからに」 「熊の魔獣が出たんべや。  非常に危険っしょ。  なんで、厳爺を呼びに、行くところだったんだべや」 お爺ちゃんの顔が、厳しくなったよ。 「雄二よ。  非常事態じゃ。  お前達は、ここへおるんじゃぞ。  儂は、ちと魔獣の駆除に行くでな」 お爺ちゃんはそう言うと、男の人と森へ入っちゃったよ。
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