日常15

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「雄二君。  お爺さん、大丈夫かなぁ」 優奈が心配して、訊いてくるよ。 「大丈夫だよ。  お爺ちゃんは、魔術師なんだから。  それより、お爺ちゃん達が帰って来るまでは、ここを動かない方が良いね。  魔獣でない熊も、出るかもしれないから」 それからしばらく岩に座って、3人で話をしてたよ。 そんな感じで、お爺ちゃんを待ったんだ。 しばらく経って… 「あっ!  かっわぁいぃ~」 優奈が、そう言って立ち上がったんだ。 そして、森近くの草原へ近付くね。 そこへは、鼬のような生き物がいた。 大きな丸い目。 小さな丸い耳。 喉下と腹部は、白い体毛で覆われてるよ。 他の箇所は茶色だね。 確かに、愛くるしい姿だけど… 「優奈!  ダメだ!  近付いたら!!」 僕は慌てて、優奈の手を取り引き寄せる。 優奈のいた場所に、何かが打ち込まれた! 「!!」 不味い! 魔獣だ! 恐らく、オコジョだろう。 魔那を纏ってるのが分かる。 そして… 魔那を変換して、風の玉を打ち込んで来たんだ。 「つぅ」 風で吹き飛ばされた礫が、優奈の足に当った。
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