日常15

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すると、衝立の向こうから由美子姉が現れたね。 そして、呆れたように、言うんだよ。 「2日も寝込んでいて、彼女の心配?  本当に、この子達は…」 「えっ!  僕。  2日も寝てたの!?」 「{寝てたの}じゃないわよ。  大変だったんだからね」 僕は、あの後のことを、由美子姉から聞いたよ。 あの後、オコジョは火に包まれたまま、息絶えたんだって。 僕は滝壺に落ちたから、火は消えたんだ。 だけど、大火傷を負ってたんだよ。 危険な状態だったらしいね。 魔獣化した熊を討伐したお爺ちゃん。 疲れて、休んでいたんだってさ。 そこへ、滝の方から爆音が響いてね。 慌てて滝へ急行さ。 そして、必死に滝壺から僕を出そうとしている、優奈と由美子姉を見付ける訳だね。 僕の容態を見たお爺ちゃんは、真っ蒼になったって。 全身火傷で、危険だったらしいよ。 お爺ちゃんは、優奈と由美子姉を男の人達に任せるたんだ。 そして、魔術で宙を飛び、病院へ僕を搬送したんだって。 由美子姉が言うには、普通の人だったら、助からなかったらしい。 僕が魔術師で、豊富な魔那を練成できるから、助かったんだってさ。 魔術医が、僕の魔那に干渉。 細胞を活性化させたので、自己治癒速度が増大。 だからこそ、通常は治癒不可能と思われる火傷が、治癒できたんだってさ。 これは、一般の小学生では考えられぬほどに鍛練された肉体。 豊富な魔那量がもたらした奇跡だと、医者が騒いでいたらしい。 それで、優奈があんなに心配していたのか… 僕…死に掛けたんだね。 しかし、魔術って、やっぱり怖いかも。 でもあの時、僕に力がなかったら… 優奈が死んでたかも… そう考えると僕は、(この力があって良かった)と、初めて思えたんだ。
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