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そして、もっと有効に魔術が使えていたら…
優奈に、怪我を負わせることも、なかっただろう。
優奈の足には、包帯が巻かれてるんだ。
あの時の怪我を、治療したんだろうね。
その時、(優奈に怪我を負わせてしまって、悔しい)って、僕は思ってしまったんだ。
僕が防御魔術を使えたら、こんなことには、ならなかったのに…
そう、思ってしまう。
そんな所へ、お爺ちゃんが現れたんだ。
「おお、おおっ。
目覚めたかぇ。
気分はどうじゃ。
雄二よ」
優しく微笑みながら、お爺ちゃんが僕へ言う。
「少し、体が痛いけど、大丈夫だよ。
そんなことより、お願いがあるんだ」
{僕が体が痛い}って言うと、優奈がモジモジしたね。
さっきまで、抱き付いたからねぇ。
そのせいだと、思ったのかな?
爺ちゃんは優奈を見て、ニンマリと笑ったよ。
けど、続けて僕が真面目な顔で告げると、真剣な顔になったんだ。
「して、それは、何じゃな?」
「僕に、魔術を教えて欲しいんだ」
「はて?
学校で、習うておるじゃろうに」
「学校では、魔術の時間に武術を行ってるんだ。
小学生で習う魔術は、4年で習得しちゃったんだ。
続きは、{危険だから、ダメだよ}ってね。
以前は、(それでも、良いかな)って、考えてたんだ。
だけど…」
「ふむ。
確かにのぅ。
魔術を習得しておれば、オコジョの魔獣くらいは、楽に駆除できたであろうな。
故に、教えて欲しい。
そう言うことかのぅ」
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