日常15

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僕は頷いて言う。 「僕は、優奈を守れなかったんだ。  怪我を、させちゃった。  僕に優奈を守る力があれば、優奈が怪我をすることもなかったんだ。  だから…  だから、優奈を守る力が欲しい。  僕は、優奈を守りたいから」 僕はお爺ちゃんの目を、ジィィィッと見て言ったんだよ。 「良かろう。  じゃが、今は駄目じゃ。  わしが、学校へ掛け合ってやろうぞぃ。  雄二も、級友から抜け駆けして、習得したくはないであろ?」 僕は頷いて言う。 「6年からでも良いよ。  でもね。  守りたい人を守れないようなことは、もう、真っ平なんだ。  だから僕は、守る力が欲しい。  お爺ちゃん、力を貸してね」 僕がそう言っている間、優奈は顔を真っ赤にして、僕に抱き付いていたよ。 なんだか、ポヤァ~ンとしているけど、大丈夫? 由美子姉が、「バカップルめ」とか言ってるけど… そんなカップル、何処にいるんだろうね? その後、退院したよ。 爺ちゃんの家で2日間、養生したんだ。 結局、魔獣騒ぎで、4日潰れてしまったよ。 そして動けるようになったので、僕らは横浜へ帰ることになったんだ。 母さん達が、心配してるんだってさ。 そして僕らは、来た時のルートを逆に辿るようにして帰ったよ。 東京国際空港へ着くと、お父さんとお母さん、優奈のお母さんが、迎えに来ていた。 お母さんは、元気に歩いている僕を見て、ホッとしたようだね。 そんな騒ぎがあったけど、後は何時も通りに、夏季休暇を過ごしたよ。
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