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「予習よ。
よ・しゅ・う。
どうせ、明日には習うんだから。
少し、早いだけよ」
そう言えば…
お爺ちゃんはみんなの状態を見て、{明日、教える}って、言ってたなぁ。
じぁあ、良いか。
「僕は先生じゃないから、正しく教えられるか、分からないよ。
概念的なことで良いなら、教えても良いけど…」
「それで、ええんじゃない。
はよう、教えんさいや」
「ふぅ。
分かったよ」
そう言って僕は、みんなに教え始める。
ああ、先生達は帰ってるよ。
お爺ちゃんもね。
「そうだなぁ。
イメージとしたら、毛糸の玉かな」
「へっ?」
「まぁ、聞いてよ。
毛糸を巻いてボール状にしたら、しっかりとした球体になるよね」
みんなが頷く。
「巻かずに、無理やり球状にしたらどうなる?」
「そりゃ、纏らんわいね。
無理やり固めたんじゃけぇ、グシャグシャになるんとちゃう」
僕は頷いて言う。
「そうだろ。
今日、君達がやったことだよ。
無理やり圧縮したから、纏らずに破裂したんだ。
だから、無理やりじゃくなて…」
「なるほどねぇ。
毛糸の玉のように、巻き込むように圧縮するのね」
奈那子ちゃんが、納得したように呟く。
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