日常16

34/47

1831人が本棚に入れています
本棚に追加
/368ページ
それに、学園生は魔術師扱いなんだよ。 だからさ。 ちょっとした店でも、格安で予約できるんだ。 まぁ、相手は魔術師と聞いたら、年齢も聞いてこなかったんだけど…大丈夫だよね。 そんな不安を抱きながら、朝から街へ。 優奈へのプレゼントを購入して、レストランへ。 「予約してた、鈴木ですけど」 そう告げると… 店員が困った顔で僕へ言うんだ。 「坊や。  お父さんか、お母さんは?」 連れがいないので、戸惑ってるようだね。 「僕達、2人だけです。  僕が予約した、鈴木 雄二です。  魔術学園の6年生なんです。  お金も、用意してますから…」 そう言って、財布の中を見せたよ。 予約した料理の代金が、入ってるんだ。 店員は、引き攣った顔で頷いたね。 そして、言うんだ。 「しょ、少々、お待ちを」ってね。 慌てて、店内へ入って行っちゃったよ。 しばらくしたら帰って来たけど…違う店員さんだったよ。 あれっ? ちょっと渋めのオジサンで、執事みたいな人だね。 その人の案内で、店内へ入るよ。 「お待たせして、申し訳ありませんな。  どうぞ、コチラへ」ってね。 由美子姉だったら、ストライクだったかも。 優奈は… 「ちょっと、怖いかも」 そう言って、僕の腕に抱きついてたよ。 オジサン、苦笑してたね。 オジサンは、奥の個室へ案内してくれたよ。 あれっ? 個室は、予約したコースじゃ無理なんじゃ? 実はね。 店側が、小学生カップルは店の雰囲気にそぐわないと判断したんだ。 失礼だよね。 だから、個室への案内だってさ。 まぁ、店のサービスと思えば良いよね。 別料金も、発生しなかったし。 さらに、料理も1クラス上にしてくれたよ。 お侘びだってさ。 優奈と一緒に、楽しく頂きました。 裏で… 「キィーッ!  小学生の癖にぃっ!」 なんて、言っていたのが聞こえたけど… 身体能力が上がるのも、考えものです。 食事を終えてから、映画館へ。 怖いのが苦手なのに、何故かホラーを選択する優奈。 場面、場面で、僕にしがみ付きます。 僕もね。 嫌いじゃないので…いろいろと。 そんな、嬉し恥ずかし、一日でした。 えっ? 惚気だって? だから、言いたくなかったのにぃ。
/368ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1831人が本棚に入れています
本棚に追加