日常16

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「あ゙っ!」 ようやく、気付いたようだね。 …クラスメイト何人かが、同じ反応しているけど… まさかね? 「鎧は安全に属性を、防御へ使用するための物でも、あるのじゃ。  圧縮した魔那は、属性を通しにくいでな。  じゃが、高威力の魔術となれば、別じゃ。  それを防ぐには、鎧の表面を属性魔那で覆う必要があるのじゃよ。  相殺したり、取り込んだりするためにのぅ」 なるほどねぇ。 僕が納得してると、凍夜が訊くね。 「爺ちゃん先生。  相殺って?」 本当に、少しは考えろよな。 「炎を防ぐのに、水や冷気を鎧に纏わせるのじゃよ。  それで、相殺するのじゃ。  これは、相手の放った魔術に相対する属性を、素早く纏う必要がある。  一瞬での判断が求められるでな」 なるほど、常時同じ属性だと、相殺は無理だものね。 「取り込むのは、逆じゃ。  魔術と同じ属性に合わせて、鎧に纏わせる訳じゃな。  ただ、自分が制御できる範囲を超えると、暴走するでな。  扱いに注意が必要じゃぞ」 こちらも、難しそうだね。 でも、取り込んだ魔術をコントロールして、攻撃として放出すれば、大丈夫かな。 上手くコントロールすることが、前提になるけどね。 凍夜は、説明されたことが、理解できてないみたいだね。 頭を抱えているよ。 「何をそんなに悩むんだよ。  火に水を掛ければ消えるし、熱いものも寒いところへ持っていけば、冷めるよね。  火を制御している所へ火を取り込むのも、同じ制御下なんだから可能だよ?」 「そうやなくてやな。  それを、どうやってやるんや?」 僕は、呆れちゃったよ。 だって、それを今から習うんだよ。 知らなくて、当然だよね。 なんで、悩んでるんだよ。
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