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「何、言ってんのさ。
普通の魔那なら、鎧に纏わせることができるでしょ」
僕が凍夜へ教えるよ。
「そりゃ、そうやけどな。
それが、どないしたんや」
察しの悪い凍夜へ、美鈴ちゃんが言うよ。
「馬鹿ねぇ。
纏った魔那を、属性に変換すれば良いじゃない。
でも、維持できるかが、問題よねぇ」
「ほうじゃねぇ。
魔那を纏うんは、できるかもしれんのんじゃけど…」
「まぁ、やってみるしかないんじゃないの。
雄二君は、始めてるわよ」
美鈴ちゃん、桃子ちゃん、奈那子ちゃんが話している間に、僕は鍛練を開始してるよ。
予想通り、魔那を鎧の表層へ纏うのは、簡単だった。
水へ変化させるのもね。
でも…
「あーっ!
剥がれちゃったよ。
くっそぉ~」
そうなんだ。
魔那を水にした後で、鎧に纏うのが難しいんだよ。
(簡単だ)と、思ってたんだけど…甘かったです。
始めは、簡単と高をくくって範囲を広げてたんだ。
無理です。
仕方なく、範囲を狭めて再チャレンジ。
何度が行ってると、定着させることができました。
けど、一箇所に、貼り付けてるんじゃないんだよ。
対流させるように、鎧の表面を移動させてるんだ。
この動きで、鎧から剥がれないように、制御してるのさ。
この制御範囲を広げるのは、大変だなぁ。
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