日常16

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僕は気付いて、鍛練方法をすぐに変えたんだ。 けど、凍夜は気付いてないね。 相変わらず、広範囲を覆おうとしてるよ。 他のみんなは、僕のやり方を真似し始めてる。 ってかさぁ。 美鈴ちゃんなんか、僕の鍛練を観察した後に始めてるんだ。 ズルくない? ある程度コツを掴むと、凍夜引っ叩いて止めさせてる。 自分が知った鍛練を、行わせてるよ。 良い、世話女房ですね。 僕は、右腕に纏わせた水の属性魔那の範囲を、徐々に広げているんだ。 でも結局、授業終了までに、二の腕までしかできなかったけどね。 お爺ちゃんに言ったら、呆れられたんだけど…なんでだろう。 そんな感じで、授業は進んだよ。 アレから1ヶ月。 僕は全身に、水属性魔那を纏わせることに成功したんだ。 苦労したんだよ。 特に、間接部とかが大変でねぇ。 満遍なく纏わせないといけないでしょ。 所々に、隙間ができたりしてねぇ…大変でした。 今では全員が、鎧への付与工程に入ってるんだ。 一番遅い子達も、必死で行っているからね。 習得が早いよ。 家でも頑張っているようなんだけど… 他の勉強が、疎かになってるみたい。 大丈夫かなぁ。 はい、大丈夫では、ありませんでした。 他の学業が疎かになり始めたので、魔術授業は、一旦中止です。 魔術の時間と放課後を使って、補習の授業になっちゃったよ。 みんなが、文句を言うけど… 「じゃかしぃっ!  魔術師は、魔術だけができれば良い訳ではなぁぁぁぃっ!  良いか。  魔術師は、色んな場所へ派遣されるのじゃ。  そのためには、多くの知識が必要となる。  無論、魔術師にも、各専門分野があるでな。  将来には使わぬ知識も、あるやも知れぬ。  じゃが、将来の選択範囲を、今から狭めてどうするのじゃ?  おぬしらは、将来に備えて知識を得ておるのじゃ。  ちゃんと、習得せい」 お爺ちゃんに、説教されちゃいました。
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