至近距離恋愛の始め方～七瀬煌輝の場合～

告白

俺は、幼い頃からずっと、要のことが好きだった。

その“好き”は、幼なじみとしての好きではなく、友達の一線を越えたもの。

ずっと、

要に恋をしていた。

それが普通じゃないことくらい自分でも理解はしていたし、要に自分の気持ちがバレてしまったら、確実に要は俺から離れていく。

そこまで、ちゃんとわかっていた。

それでも俺は、要のそばにずっといたくて、要に触れていたくて、自分の気持ちを悟られないようずっと隠してきた。

幼なじみとしてでも、要が俺を必要としてくれるならそれで良かった。

絶対に成就することのない恋。

一時は、要を諦めようと思って誰かれ構わず、告白されたら試しに付き合ってみるようにしたこともあった。

だけど、付き合ってみても要を諦めることなんて出来なかった。

むしろ、年齢があがるにつれて要を想う気持ちもどんどんデカくなって、

要じゃないとダメ、

そのレベルまで達していた。

だから俺はあるときから諦めた。

諦めることを諦めたのだ。

誰かと付き合っても諦めることが出来ないなら俺はこの先誰とも付き合わない。

一生叶わない恋でもいい。

それでも俺はずっと要を好きでいる。

そう心に誓った。