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「え…ちょっまってくださいよ。俺絶対嫌ですよ?」
もちろん俺は拒否する、なにが何でもこの俺ライフの崩壊はくい止めなくてはならない。
「いや、別に強制という訳じゃないから、なにか正当な理由があるならいってみろ?部活とか」
坂井が嫌な笑みを浮かべる。
完全に追い詰められた。坂井は俺が部活に所属していないことを知っている。なんて嫌味な教師だ。
この微笑を写真に撮って教育委員会に提出したら、こいつはクビだな。チクショウ
「実は母が入院してまして…」
坂井が何も言わずに、机にそなえつけてある電話に手を伸ばし、受話器に触れた。
「ごめんなさい嘘です。確認とかやめてください」
「嘘をつく辺りからして、正当な理由はなさそうだな。」
受話器から手を離し、こちらを向きながら坂井が言った。
しまった。
完全に包囲されたネズミ状態だ俺。
「くそ…猫めッ」
「我輩は猫ではない、名前ももうある。」
坂井は国語の教師であった。
もはや俺に勝ち目はない
「なんで俺なんですか?」
素直な気持ちだった。俺のクラスには、俺なんかより全然イケてる奴らが結構いる。
そいつ等の中にだって俺同様に部活に所属していない奴だっているだろう。
「大体、こういうのって立候補とかだと思います。先生が『任命する』とか言って気取るのは違うと思います。」
「べ…別に気取ってはいないだろ?」
坂井が顔を赤くしながら、目線をそらす
全く萌えない。
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