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「まぁお前を選んだのはだな、お前の小学校のときの卒業アルバムをみたからなんだ。応援団長の君を」
坂井が急に語り口調になった。
「こういっては何なんだがな、今のお前はだらしなさ過ぎる。でも小学校のときのお前はちがった、輝いていた。すごく感動したんだ俺は……。お前に、いや上原尚斗にもう一度当時の輝きを取り戻してほしいんだ」
「いやそれ絶対嘘ですよね?」
確かに俺は小学校のとき応援団長をやらされた。でも当時も嫌々だから輝いているわけがない。
どうせなら中学の卒アルもみてほしい。いい感じに地味だから。
でも坂井が昔の俺を見て、何かを感じてくれたなら、素直に嬉しいかもな。
そんな先生が"俺に"って言うなら、俺…幹部やっても良い…かもな。
「かははぁ~バレたか」
嘘だった。
「実は今日のホームルームで最初に立候補を募ったんだが、誰もやりたがらなくてな。あぁお前が来る前だ。それで保留になったんだよ」
「じゃあ俺も全然嫌ですけど」
坂井がう~むと唸る。
あちょっとイライラして来た。
「上原ぁお前最近遅刻が多いなぁ。成績も1年のときに比べるとあれだなぁ。」
「っぐ」
坂井はまた嫌な笑みを浮かべた
「その事、親御さんは知っておられるのかなぁ?」
なんて奴だ…仮にも教師だろ?
なに生徒を脅してんだよ。
さすがの俺も黙っちゃおけねぇな。
あ~俺がこうなったらやばいよ?自分の事抑えられないよ?
「是非やらせてください」
俺はへタレだった。
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