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「ほんとかぁ?良かったぁ。実はなもう他のクラスはもう皆決まってるんだよ、焦った焦った」
つまり、誰でも良かったのか
坂井は俺の弱点の"親御さん"を召喚してきた。よっぽど早く決めたかったのだろう。
坂井の気持ちもわからなくない。
俺が、父さんや母さんが恐ろしいように、
坂井も学年主任が恐いのだろう。
だったらここはひとつ俺が大人になってやるか。
体育祭は6月の中旬、今は5月の上旬だからたった1ヶ月ちょっとの我慢じゃないか。
「でも俺だって色々考えて上原にお願いすることにしたんだぞ」
エッヘンと威張るように、坂井は言った。なんか嬉しかった。
「いろいろってなんすか?」
「ごめんなさい嘘です」
嘘だった。
坂井は軽く頭を下げてきた。
「あぁ結構進んでますねぇ。つむじの辺りがひどいかもです」
「こっら!!誰がはげチェック依頼した?」
坂井は「今日いじるねぇ~」と独り言のように言いながら用紙に俺の氏名を書き始めた。
「先生冗談はさておき、応援幹部って各クラス2人ですよね?」
俺の学校は各学年1組から5組までの5クラスで形成されている。
体育祭ではクラスごとに抽選で5軍に分かれる。赤・青・黄・緑・黒の5色。
他の学年の同じ色のクラスと同じ軍という訳だ。
たしか俺のクラスは今年『黒軍』だったはずだ。
そして体育祭にあたって、体育祭のための役割が設けられる。
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