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「君を護るために…俺は戦いに行くよ」
あなたは私にそう言った
『行かないで』
そう…言えたなら
どんなに良かっただろう
「ここも…いずれは戦火が及ぶかもしれない…」
確かに…そんな気配は感じてる
「だからこそ…君を護りたいから」
お願い。悲しそうに微笑まないで?
「必ずここに帰ってくるから」
『一緒に行きたい』
だけど、私には
自由に歩ける足が無い
「約束するよ」
『……待っています』
返せることは
ただ一つしかなくて
戦いに行くあなたの背中を
見つめることしか出来なかった
程なく この地も戦火に焼かれ
慈悲なき軍靴が
否応なしに全てを踏み荒らしていく
小さな命 大きな命
たくさんの命が空に還っていくなか
私だけはそれを拒み
ここに有り続ける
ただひたすらに
あなたを待ち続けるために
、
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