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月日は流れ
戦いは遠いものとなった今でも
それでも私は
帰らないあなたを待ち続ける
ここは……昔
たくさんの花々が咲き誇っていた花園
ここを愛してくれた『人』
それが あなた
今では荒れ果てた土地
そこに一輪だけ咲く小さな黄色い『花』
これが 私
絵を描くのが好きなあなたは
いつでも優しく声をかけてくれて
とても優しい声で歌ってくれた
言葉は通じなくても
想いは届かなくても
私は確かにあなたを愛していたから
だからこそ…
ここを離れることは出来ない
遮るもののない荒れ地に
容赦なく吹き付ける強風
ちぎり飛ばされそうになる身体
必死で耐える私のもとに
ふわりと空から舞い降りてきた
一羽の…『青い鳥』
『お帰りなさい…ずっと…待っていました』
END
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