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「じゃあね」
「さよなら」
別れ際
もう…何度となく繰り返された会話
『次は…いつ逢える?』
喉元まで来たけれど
……ぐっと、飲み込んだ言葉
お互い、大切な人がいて
それぞれの生活が営まれていて
とても幸せなはずなのに
それでも、求めあってしまう2人
誰の目にも触れないように
街を並んで歩くことも出来なくても
それでもいい…とすら思うのに
激しく求めあった後の
この虚しさは…なんなんだろう
実を結ぶわけでもない
『逢瀬』という言葉に酔いしれ
ただ快楽に身を任せて
我に帰れば虚しいだけなんて
俺たちは、まるで彼岸花のよう
激しく燃えているようでいて
それなのに
『花』と『葉』は
同じ空間に存在することは出来ない
こんな不毛な関係
早く断ってしまいたいと思うのに
別れ際
気が付けば…また言葉を発してしまう
「また…逢えるよね?」
かの花は
この身を焼き尽くす
地獄の業火
もう逃げられない
あとは堕ちて行くだけ
END
、
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