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ペットボトルのオレンジジュースを手に持ち寮を出た。
あ……鞄…面倒だから良いや。
廊下には誰も居なく、まるで別の世界に迷い込んだ静けさだった。
自分のクラスに着くとドアを開けた。
ガラッ
一斉に陽炎に視線が集まった。
8時半を過ぎていたらしくHR中だった見たいだ。
教卓の前にいる二十歳前半の先生を見ると皆の前に立っている一人の毬藻を見た。
『毬藻は、北海道じゃなかったかな?』
首を傾げる陽炎に顔を赤くするクラスメート。
「毬藻じゃありません。笹倉 昴(ササクラ スバル)です。」
毬藻……昴は、こっちをチラッ と見てから言った。
「そうだぞ。こいつは転校生だ。適当に昴のお世話よろしくな。」
担任の弥生 咲蓮(ヤヨイ サイレン)はそれだけ言って出て行った。
「………。」
ガン見してくる昴を無視して自分の席に座る。
窓の外を見ると青い空が広がっていた。
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