3人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・で?」
「え?」
「何しに電話かけてきたんだよ。」
「いや、単に眠れなかったから、君に嫌がらせでもしてやろうかと思ってね☆」
「ガキかよ、てめぇは!?」
「HAHAHA☆いい気味なんだぞ!!」
「てんめぇ・・・っ!!」
ほら、またいつものお説教だ。
どうせ、また半泣き状態なんだろう?
あーあ。そばにいたら、その涙を拭ってあげれるのに。
そばにいたら、そのまま抱き締めてあげれるのに。
キスして、お互いの温もりを確かめ合って、
また抱き締めて。
できることなら、今すぐにでも触れたい。
君のことを考えていると、ときどき、苦しくなる。でも、それ以上に、君は僕を幸せにしてくれる。
「ねぇ、アーサー?」
「あぁ?なんだよ?」
「今から、会いに行ってもいい?」
「はあ?今からって、お前・・・」
「じゃあ、また後でね!!」
「あ、おい!?」
何か言おうとしていたアーサーの言葉を完全にスルーし、俺は電話をきった。
あー、ダメだ。
会いたい。今すぐに会いたい。
お気に入りのジャケットを羽織って、玄関を飛び出す。
どうしようかな。
ドアを開けた瞬間、キスでもしてやろうかな?
抱き締めてあげようかな?
きっと、その時の俺の目は、イタズラを考えている子供のようなまなざしだったんだろう。
玄関を開けると、心地よい風が、部屋全体の蒸し暑い空気を外に逃がしてくれる。
「よーし!行っくぞー!!!」
外を出ると、やっぱり月が、キラキラと輝いていた。
月は、まるで道案内をしてくれるかのように、
真っ暗な道を明るく染める。
~イタズラ対象まで、あと少し~
最初のコメントを投稿しよう!