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「山崎さんって?」 彼に命令を下した人に問う。 「お化けの正体だよ。お前の記憶が無いだとか、オレ達の事知らないだとか。オレは……カスミの言ったことを信じてはいなかった。ちょっ……喧嘩相手が送り込んだ、かっ……オレ達の事を探るために送り込まれた奴だと思ったんだよ!!」 三度言葉をつっかえて、最後は投げやりな感じ。それからまた体の向きを変えて、私達に背中を見せた。 「だから山崎にお前を見張らせてたんだ。怪しい行動をとらないか。お前が誰と通じてるか。それを探るために」 「私が土方さんの部屋に行ったのにも、何か意味があるんですか?」 「山崎のことに気付いてたから」 「でも。私、本当にお化けだと思ってました」 「知ってる。分かってた。総司からも話しを聞いた。だが、例え人じゃなくても、お前は誰かに見られていると気付いた。もしそれが人だと分かれば、行動を慎むだろ。だから……」 「土方さんが私を見張っていた?」 言葉を止めた土方さんの続きを推測した。 「そうだ。飽く迄オレはお前を信じはしなかった」 「私が。私が喧嘩相手の仲間で、だから山崎さんや土方さんが私を見張ってて。その仲間が高杉さん達で、その高杉さん達と仲良くしてたから、土方さんはあんなことをしたんですか?」 「そうだ」
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