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「大変です!!」 突然の大声に近藤さんの体が跳ねて、土方さんが私を見た。 「だったら私、高杉さん達の仲間じゃないですか!!そうですよ。だから二人の声も聞こえっ」 「馬鹿かお前は」 本当に馬鹿にしている言い方。私を馬鹿って言うのは一人しかいません。起こしていた体をまた横たえて。 「オレはもう寝る。馬鹿にはつき合えきれねぇ」 って言ったとたん、土方から寝息が聞こえてきた。ってはやっ!! 「カスミさん」 土方さんを起こさない為にか、耳元で囁くように近藤さんが名前を呼んだ。 「なんですか?」 右に倣えで、私も小声。 まぁ一旦寝に入った土方さんは早々に起きはしないと思うけど。起きるなら、いびきや寝相に悩まされることも無いんだけどねぇ。 「トシには内緒だぞ」 人差し指を唇に当てて、私が了承するを待っている。何を教えてくれるのか期待を込めて、頷いた。
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