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「今なら大丈夫だと思いますよ」 「何がですか?」 お茶を飲む沖田さんに首を傾げる。 「今お二人とも出かけてますので」 「なんと!!」 これはまさに。 「完全復活!!」 「好きですね。その格好」 「にっ日光浴を……」 「雨降ってますが」 ──空が私の代わりに泣いてくれています。 「あっ!!」 と大袈裟に大声を出して驚いてみせると、沖田さんが私の視線の先を見た。その隙に手足を戻して。 「あぁぁ。見間違いだったみたいです」 これまた大袈裟に。“何と“と聞かれては困るので、他の話題を振らなくては。 「沖田さん」 「はい」 「……沖田さん?」 「はい?」 「おっ……」 「お?」 おぉぉ。何も無い。苦し紛れに笑って見せた。
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