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「気分でも悪くなったか?」 俯く私を心配する近藤さん 「いえ。大丈夫です」 笑って誤魔化すけど、自分の鼓動が速まっていくのが分かる 視線を感じ周りをみると みんなが心配そうに私を見ている 「本当に大丈夫ですから」 ゙大丈夫゙って言う度に、よりいっそう鼓動が速まる 『まさに花見日和。なぁカスミさん』 『どこ行くんですか。カスミさん』 『オレにひっつくな。離れろ』 誰も何も言っていないのに 次々と言葉が頭に入ってくる 「ちょっと飲み過ぎちゃいました。酔いさましに少し散歩してきます」 あの時と同じ言葉 あの時っていつ? 「私も一緒に」 「一人で大丈夫です」 立ち上がろうとした、沖田さんを止めた 「総司。一緒に行け」 土方さんの言葉が私にささる 「行きましょ、カスミさん」 沖田さんが差し出す手を取り 桜道を歩き出す
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