許可症

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好きになっていいの 聞けないし たずねたところで、僕は僕で答えを探すから 聞かないよ 好きになっていいの たずねたこころは、またも君の答えは意味ないときかないや 好きになっていいや 僕は笑う 目尻が染みた事もある 睫毛が張り付いた 好きと伝わることよりもっと すきと思う許可証を生成したい 見つめる温度は見えないから どんな答えも込めているよ どんな答えに縋り付いたって すかしたって 宥めたって 君に触れる僕のかたちは変わらない それを絆と呼ぶ 僕の経験則 愛すべき経験値 見えない気持ち 色も温度も質もない あらわすならなにがあるだろう 愛しさに溢れた歌が歌えない 愛してるも好きもどんな歌も、僕の声じゃない 静かに無邪気ぶって 愛してるも好きもどんな笑みも、伝う あなた好きよ 好きになっていいの あなた好きよ 好きになっていい また少し笑顔が染み付いた、不慣れな僕の頬 苦し紛れに唇、尖った歯が引き攣らせる それなのに 赤い唇は猫みたく 好きになっていいの 僕は笑っていいの あなたが好きだと笑って幸せになっていいの なにも出来ない、あなたのために 僕は笑っていいの なんにもしてやれないくせに ひとりで笑う姿は醜くはないか 好きになっていいの 許されたら、ぼくは幸せになるよ 許されないよ けれど 今も少し笑うよ 君の成果を僕に求めて 変わることはこわくない しくじりが許せないだけ いつまでも君をうつして僕があること それが大概誇りというもので 不幸ぶれない 不器用ぶれない 気持ちぶれない 少し目がきく 空も見るし人込みも眺められる 音も聞こえる 線路の音近所の声 風もふく 海風ビル風からっ風暴風雨 僕の生活 起こしてくれてありがとう 起きない僕は見捨ててくれて どこにでも行ってくれて 知らない世界の話 成長よりも衰えがまさる近頃の肉体疲弊 もしくは神経衰弱 たまたま隣り合って見下ろした人が遠ざかる情勢 たまたまたまたま笑った顔が見えただけの人 たまたま冷えた手をとっただけの君にとって 僕はなんだろう なんにもしてあげられない 君は勝手に笑うし 勝手に泣いている 勝手に幸せだったり不幸せだったり 僕の形なんて触れなくてもわかっていて 意味のないものみたい 定石だと決めた言葉も顔も無言も温度も質も もしかしたら最低値 限界値ですか 見込みはどう
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