序章

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月から一羽の兎が逃げ出して数日後、地上でも一羽の兎が活動していた。 てゐ「~♪」 彼女は因幡てゐ。 (自称)神話に登場する因幡の素兎その兎である。 て「毎日毎日、代わり映えしないね、この竹林も。」 最後に大きな変化を見せたのは、あの月の姫様が来た時だったかねぇ…… て「ま、あの月から来たらしいお二人さんのお陰で、毎日の日課が出来たから良いんだけどね。」 さて、見回り見回りっと……ん? ?「……」 やけに作り物っぽい耳をした、見慣れぬ服を着た兎らしき少女が、傷だらけで倒れている。 て(この服……あの薬師が言ってた玉兎って奴らの服に似てるね。月の兎かな?) あの薬師からは月の者を近付けるなって言われたけど……一応同じ兎だし、見逃すのは忍びない。 て(……玉兎同士はどんなに離れていても通信が出来るとも言ってたかな……なら、それを利用すれば……) 取り敢えず、あの薬師の所に連れて行こう。
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