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そいつは俺の存在に気づいて屋上を出ようとした
とっさに俺はそいつの手を掴んじまった
「なんで泣いていた」
俺にも分からないが、自然と口から出てきた言葉だった
そいつは・・・姫川は一瞬戸惑った表情を見せたが
「その手を離せ」
男の俺でも一瞬ビビるぐらいの殺気立った声で言った
なんだ?今のは
だが、俺のS心が勝っていた
「離す前に答えろ。なぜ泣いていた」
その答えだけが気になっていた
しかし
「目にゴミが入っただけだ」
流されただけだった
手を離し、屋上を去ろうとした姫川に向かって
「お前俺の女になれ」
そう言ったが、綺麗な黒髪をなびかせながら返事をせずに去っていった
姫川月歌
ぜってぇーに逃がさねぇ
俺の中の闘争心に似た何かが動き始めた
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